日本の職業性ストレス簡易調査票(57項目)を20年前、10年前、現在で比較したらどの項目が変化しているのだろうか。今更そんな調査はできないので想像するしかありませんが、点数がもっとも悪く変化しているのは上司支援だと思います。

20年前の上司は余裕があって部下をよく見ていたような。ちょっと困った状況の時は部下が自分で解決するように時間を提供して、本当に困った時は上司も入ってきて一緒に問題解決。頼りになっていたように思います。

現在の上司も部下を見たい、頼りになる上司でいたい。部下を助けたいと思っているのではないでしょうか。でも、やれていない。自分が抱えている業務をやるのに精一杯で部下支援まで手がまわらない。

どうしてこんな事になってしまったのでしょうか。

仮説を考えるヒントに、変更による影響を徹底的に議論し尽くすDRBFM(Design Review Based on Failure Mode)を応用します。

着目する変更点は、事業環境の変化に伴う経営戦略の変更により上司(マネジャー)に余裕がなくなる。変更による影響は、上司(マネジャー)に余裕がなくなることによる職場環境の問題。

つまり、上司(マネジャー)に余裕がなくなることによる職場環境問題への影響を徹底的に議論しなかったため、対策が不十分になっている。

20年前からの変化点(例えば非正規労働者の急増、グローバルなプロジェクト体制、プロジェクトの大規模化、その他たくさん)に着目して、職場環境へ影響を徹底的に議論することで、見えてくる職場環境の
課題と対策があるのではないでしょうか。

株式会社ストレスマネジメント実践研究所 北尾一郎
<うつ病のない日本の職場を目指して、プロジェクトの職場環境改善に貢献します>