Googleに”メンタルヘルスのための職場環境改善”を入力すると厚生労働省のこころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)が検索されます。

そのページに紹介されている「職場環境改善のためのヒント集」は、全部で6つの領域,30項目に分類してチェックリストとしてまとめられたものです。

6つの領域は、1.作業計画への参加と情報の共有、2.勤務時間と作業編成、3.円滑な作業手順、4.作業場環境、5.職場内の相互支援、6.安心できる職場のしくみ、です。

30項目は、少人数単位の裁量範囲を増やします。繁忙期やピーク時の作業方法を改善します。作業ミス防止策を多面的に講じます。職場の受動喫煙を防止します。チームワークづくりを進めます。セルフケアについて学ぶ機会を設けます。などです。

確かに、「職場環境改善のためのヒント集」は有効なメンタルヘルス対策のアイデアをだしやすくするツールだと思います。しかしながら、このツールを活用して出てきたアイデアが本当に有効なメンタルヘルス対策なのか疑問です。なぜなら、このツールは対策のヒントに限定されているため、出てきたアイデアが必ずしも職場のメンタルヘルス不調の事象、根本原因と一致しているとは限らないからです。

職場環境改善に大切なのは、これまでのメンタルヘルス不調、高ストレス者の事実、ストレスチェックの集団分析に基づく課題をしっかり捉え、その根本原因を顕在化して、思いつきやとりあえずの対策ではなく難しくても必要な対策を実践する。ことではないでしょうか。「職場環境改善のためのヒント集」は対策を検討する時に補助的な活用ができると思います。

株式会社ストレスマネジメント実践研究所 北尾一郎
<うつ病のない日本の職場を目指して、プロジェクトの職場環境改善に貢献します>