30年前と比べて職場のメンタル不調者が増えています。
30年前と比べて悪化したストレス要因は何だろう?
「業務による心理的負荷評価表」と「ワーク・エンゲージメント」の観点で考察してみました。
「業務による心理的負荷評価表」にある①事故や災害の体験、②仕事の失敗、過重な責任の発生等、③仕事の量・質、④役割・地位の変化等、⑤対人関係、⑥セクシュアルハラスメントの中で、悪化したと思えるストレス要因は特にないように思います。少なくとも、パワハラ、セクハラ、労働時間は30年前の方がひどかった。
「ワーク・エンゲージメント」とは、仕事に対してのポジティブで充実した心理状態のことです。
ワーク・エンゲージメントを向上させる2つの重要な変数として個人的資源と業務支援があります(ウィキペディア)
楽観主義、自己効力感、レリジエンスなどの個人的資源が、わずか30年で大きく変化するとは考えにくい。
同僚からのソーシャルサポート、上司の業績フィードバック、コーチング、ジョブコントロール、タスクの多様性、学習・向上の機会、トレーニング施設などといった業務支援も30年前と比べて悪くなっていないように思います。むしろ、良くなっている。
ワーク・エンゲージメントを向上させる3つ目の変数があるように思います。それは仕事のコントロールです。
仕事のコントロールとは、「自分のペースで仕事ができる」「自分で仕事の順番・やり方を決めることができる」「職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる」など、仕事をする際に個人がどれほど仕事をコントロールできるかの自由度が問われるもので、健康リスクの指標になっています。
ビジネスのスピードアップに対応して、仕事のコントロールが30年前に比べて小さくなっているように思います。
部下は上司に仕事のコントロールを任せてもらいたいと思っている。上司は部下に仕事のコントロールを任せたいと思っている。しかしながら、できていない。
この問題を解決することが、ワーク・エンゲージメントを向上して職場のメンタル不調防止につながるかもしれませんね。
株式会社ストレスマネジメント実践研究所 北尾一郎
(PMP:Project Management Professional、
心理相談員、国家資格キャリアコンサルタント)
『ワーク・エンゲージメントを向上するストレスマネジメントにより
職場のメンタル不調防止に貢献します』
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